秘境の新アウトドアアクティビティ、フォレストアドベンチャー・西条

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本谷温泉と秘境

愛媛県西条市の北西部、旧東予市の市街地から車で20分弱で到着する本谷温泉。

愛媛で温泉といえば真っ先に思い当たるのが道後温泉。西条に所縁のある方以外はよほどの温泉ファンでない限り、本谷温泉という名前に馴染みがないかもしれない。

しかし愛媛県内にも実は数多くの温泉があり、中でも本谷温泉は道後温泉とともに1000年以上の歴史があるとされる「伊予の三湯」として地元民を中心に愛されている。(もう一つは今治の鈍川温泉。)

その本谷温泉に隣接する本谷公園内に、森林空間を活かした新たなアウトドア施設、フォレストアドベンチャー・西条がオープンする。

フォレストアドベンチャー・西条のある本谷(ほんだに)公園
後ろには本谷温泉館が見える
本谷温泉そばから本谷公園を見下ろす

さて著者は、本谷公園で、かつて夏に本谷温泉祭りという地域のお祭りがあったのを思い出す。もち投げやカラオケ、盆踊りに混じって、お祭りの目玉として徳島の阿波踊り、徳島県三好市池田町の吉野連が呼ばれ、盛り上げに一役買っていたのだ。

三好市は愛媛と隣接し、吉野川の上流が流れる町。三好市を含む吉野川上流はゴムボートで川を下るラフティングのサービスが40社以上あるほど盛んで、また2017年にはラフティングの世界大会が行われ、活況を見せた。その三好市の中でも祖谷は日本を代表する秘境で、平家の落人伝説の残るかずら橋などで有名だが、実はその祖谷で四国初の「フォレストアドベンチャー・祖谷」を運営するゴーゴーアドベンチャー社(以下ゴ社)が、この度四国で2箇所目となるツリートップのアクティビティ施設「フォレストアドベンチャー西条」をオープンさせたのである。

著者は過去のお祭りから奇妙な縁を感じずにはいられない。本谷温泉は西条の秘境と言えるだろうか。もちろん祖谷と比べると、秘境と呼ぶには周辺環境に幾分差のある本谷温泉付近であるが、とはいえ、川沿いの山道を走り、本谷温泉にたどり着くまでに広がる棚田跡や海を見下ろすと、十分地域の豊かな自然と歴史を感じることができる。

今回我々は、西条市の観光産業として期待されるフォレストアドベンチャー・西条を取材。オープン直前の5月28日、フォレストアドベンチャー・祖谷マネージャーの仁尾竜平さんと、フォレストアドベンチャー・西条アシスタントマネージャー水谷凌さんに話を聞いた。

受付小屋の前で。
右から水谷凌さん、仁尾竜平さん、DOLs山中裕加

フォレストアドベンチャーとは

フォレストアドベンチャーとは、フランスのアルタス社が開発したサービスの名称。ツリートップと呼ばれるフランス発祥のアウトドアアクティビティを楽しめる施設だ。森林の中に作られた複数のコースで、足場の設置された自然の立ち木を登り、木々の間のワイヤーやネットを移動したり、ジップスライドと呼ばれる、体をワイヤーに預け、滑車で降りていく、といった遊びを提供する。ジップスライドはさながらターザンがつるで木々を移動するかのような、と言えば想像しやすいかもしれない。

世界各地に広がり、日本でも2006年に富士山麓に第一号となる施設がオープンし、その後も全国で直営施設とフランチャイズとが展開された。現在では西条を含め34施設が全国で運営される。フォレストアドベンチャー・西条は、2017年にフォレストアドベンチャー・祖谷がオープン後、西条市の自然を観光資源に、フォレストアドベンチャーを誘致したい行政とゴ社との思惑が一致し、2018年に計画がスタート、2019年末から工事が着手された。

工事は順調に終わり、4月のオープンを予定していたが、新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受け、やむなく延期。その後緊急事態宣言の解除を受け、あらためて6月にオープンする運びとなった。

西条の自然を気軽に体感

さて本谷公園の駐車場に車を停め、階段を登って広場に向かうと、新設された受付小屋に到着。西条・今治などの地元出身の現地スタッフ14名がお客様を迎えるための研修、安全器具であるハーネスの取り付け方を互いにチェックしていた。

駐車場から階段を上ると、看板と受付小屋が迎えてくれる
現地スタッフがハーネス取付の研修を行う

我々取材陣も30分の安全講習を受け、ブリーフィングサイトと呼ばれる練習コースで遊び方を学んだ後、実際のコースを体験した。

ハーネスを取り付け準備完了
事務所内のウェルカムボード
靴の貸し出しもある

ハーネスで安全は保たれているものの、高い杉の木を自力で一歩一歩登っていくと緊張と期待で鼓動が高まる。足場に着きふと周りを見渡すと、緑の山々と大明神川にかかる赤い鉄橋のコンストラストが美しい。

木々の間の遊具はバランス感覚と、なにより勇気が試される。西条の自然が冒険心を刺激するのだ。

立ち木に登り、木々を移動するツリートップ
コースを下から見上げる
ブリーフィングコースを終えると、いよいよアドベンチャーコースへ
ワイヤーの上をバランスをとりながら移動する
大明神川にかかる赤い鉄橋の近くもコース
川のせせらぎを聞きながら森林を堪能できる

アドベンチャーコースと呼ばれる本コースは全部で4つ。安全講習後は時間無制限で遊ぶことができるが、平均すると1~2時間ほど滞在するという。

また団体向けメニューとして、森やコースを使って様々な課題を解決していく企業研修も提供予定だ。

コース全体図
川を渡るジップや右の池のある日本庭園を見ながらのジップも。

フォレストアドベンチャー・西条は、四国最大級と銘打ち、先行する祖谷よりも遊具数が10個多く、そのボリュームが魅力である。

特にフランスの本社から来たコース設計者が感動し、ジャパンジップと名付けたジップスライドは本谷公園内の日本庭園横を通過し、春には桜のトンネルを抜けるなど日本の美を体感できる、世界に誇れるジップスライドだ。

フランス人設計士が感動した日本庭園

春の様子は下の公式PVを是非ご覧いただきたい。

また我々もその他今回の取材で体験した模様は静止画と動画で公開している。

愛媛観光の新たな選択肢 フォレストアドベンチャー・西条

こうしてフォレストアドベンチャー・西条は、西条市内の新たな観光産業としてスタートを切った。もちろんオープン当初は新型コロナウィルスの感染拡大の状況の影響は受けるだろう。しかしいわゆる「密」を避け、しっかりとした対策を取ることで安心して来場してもらえるよう努力を続ける。

公式サイトによると「感染予防対策を徹底することにより、私たちの施設が健康維持やストレスの発散の場の提供など社会的課題解決に貢献することが可能だと考える」と、力強いメッセージが確認できる。

対策用の動画もあるので、是非事前に視聴することをお勧めする。

(感染予防対策の動画)

また水谷さんは祖谷での経験をこう語る。「(祖谷に)来られたお客さんに話を聞いていると、東京や関西の方が多く、皆フットワークが軽いという印象です。四国には来やすいという声も聞きますね。」

仁尾さんも続ける。「祖谷の施設は最も近いコンビニから40分かかる。西条は市街地から近く、期待しています。でもまずは市民の人に遊んで欲しいです。そこから広がっていけばいいですね。西条には全国的に有名になることができる資源があると思います。ここには温泉もキャンプ場もある。愛媛といえば道後温泉、ではなく、フォレストアドベンチャーが選ばれると嬉しいですね。」

祖谷では地元中学生50人を無料招待し、地元の持つ魅力を感じてもらっている。西条でも地元客を優先させることも今後視野に入れていくとのこと。

愛媛の観光地を代表する「道後温泉」。しかし歴史的にも劣らない西条の秘境・本谷温泉に、新たな選択肢「フォレストアドベンチャー・西条」が誕生した。

(公式サイト)
フォレストアドベンチャー・西条
https://fa-saijo.foret-aventure.jp

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(ここからRAP) 🎤見逃せない資源・人工林 🎤竹林・棚田こそが貴重品 🎤になるここ西条D-O-L-Sに 🎤任せる未来にキープオンSDGs ひぇ! 四国在住フリーランスです。 【映像】映像製作(制作)支援/動画編集 【声】ラジオパーソナリティ/司会 【書】ライター/編集/取材コーディネイト 【企画】広報/ラップ広告/コピー/構成 等々承ります。

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