西条の森のようちえん(後編)

読者の皆さんは「森のようちえん」をご存知だろうか。
北欧、デンマーク・スウェーデンの母親たちが自らの子と森の中で過ごし、豊かな自然環境の中で子育てをしたいと始めた野外保育がはじまりとされる、市民の自主的な教育活動で、広く定義するならば「自然体験活動を基軸にした子育て・保育、乳児・幼少期教育の総称」(NPO法人森のようちえん全国ネットワーク連盟WEBサイトより引用)である。森のようちえんは、ドイツなどで盛んとなり、やがて中国、韓国など世界に広まった。詳しくは記事前編で紹介している。
さて西条市にも実は市内の森を舞台に「森のようちえん」の活動を行う団体がある。その名はズバリ「西条森のようちえん」だ。現在のところWEBサイトを持たず、Facebookページで情報を発信している。
今回そのFacebookページの記事を元にDOLsでも活動を紹介する。
「森のようちえん」とは言え、「森」の定義は広く、自然体験ができる公園も十分そのフィールドとなる。現在西条森のようちえんでは黒瀬ダム公園の他、円山森林公園、石鎚ふれあいの里などでも活動している。
他の森のようちえんでも、例えば鳥取県智頭町の「まるたんぼう」では、町内の14箇所のフィールドで、一年を通して四季の変化を体感し、肌で学んでいるのだ。
さて西条森のようちえんでも、公的スペース以外でも、山や田の持ち主と交渉し、学びの場を提供してもらっているケースもある。
以上の投稿から、地域の山や田んぼの持ち主の協力によって、森のようちえんの活動が支えられていることがよくわかる。
親、保護者と森のようちえん運営者だけではなく、地域で子育てを行うのだ。
西条市の東隣、新居浜市内で活動している「にいはま森のようちえん」は今年度から親が森のようちえんに子を預ける「預かり保育」を開始した。また西条市内には主に丹原町をフィールドに自主保育活動を行うサークルもある。現在の西条森のようちえんは、前編でも紹介した森のようちえんの理念のうち「(5)保育者と保護者が、ありのままの幼児の姿を受け入れ、幼児の育ちを信じて待つ姿勢を重視する。ともに育ち合う。」を重視し、特に保護者が必ず参加して、子育て・幼児教育に向き合い、親同士意見を交換している。
自然豊かな環境が地域の資源だとされる西条市。その自然は子とその親がともに育ち合うのにも寄与しているのだ。今後の西条森のようちえんの活動に注目したい。
皆尾裕
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